冷たいもので歯がしみるから、必ず虫歯というわけではありません。歯周病や知覚過敏でも冷たいもので歯がしみます。
痛みは体のSOSです。痛みがひどくなる前に、歯科医院での受診・治療をおすすめします。
冷たいもので歯がしみるのは、象牙質の露出が原因です
歯の表面を覆う白いエナメル質は、外部からの刺激を神経に伝達しません。しかし、エナメル質の下にある象牙質には表面に小さな穴が開いており、冷たいもの等の刺激を神経に伝達します。
つまり、何らかの原因で象牙質が露出すると冷たいもので歯がしみます。
虫歯でしみる場合の症状
虫歯が原因で冷たいものがしみる場合は、痛みは一過性ではなく10秒以上持続します。またこの場合には、冷たいものが触れると必ずしみます。
その他に、甘いものでしみる、歯が黒くなっている、歯に穴があいている等の症状や状態があれば虫歯の可能性が高いです。
虫歯が原因の場合、エナメル質がとけ、象牙質まで虫歯が達している状態です。
初期段階の虫歯であれば、詰め物をして一回で治療終了となります。しかし、進行するほど削る量が増え、治療方法も大掛かりになり治療回数・費用も増えます。
虫歯が原因の場合は進行すると痛みの強さ・頻度ともに増えていき、最終的には激痛を伴います。なるべく症状が軽いうちに歯科医院を受診してください。
歯周病でしみる場合の症状
歯周病が原因で冷たいものがしみる場合、痛みは一過性で、持続しません。また、冷たいものが触れても、時々しみる程度です。
その他に、歯肉が腫れている、歯磨きすると歯ブラシに血がつく、歯がグラグラしているなどの症状や状態があれば歯周病が原因の可能性が高いです。
歯周病が原因の場合は、歯の周りの骨が溶け、象牙質でできている歯根が露出しています。
治療方法としては、歯根の露出が僅かであれば歯磨きの改善や表面のコーティングにより痛みを抑えます。しかし、歯周病が進行し歯根の露出が多くなると被せ物での治療や神経治療が必要になります。
歯周病は痛みが弱く自覚症状が少ないので、小さなSOSを見逃さないようにしてください。
知覚過敏でしみる場合の症状
知覚過敏が原因で冷たいものがしみる場合、痛みは一過性で持続しません。また、冷たいものが触れると、かなりの頻度でしみます。
冷たいものがしみる以外の症状はあまりなく、歯根が見えていたり、歯の根元がえぐれていれば知覚過敏の可能性が高いです。
知覚過敏の原因は、くいしばりや歯ぎしり、強い力での歯磨きによるエナメル質の破損や歯根の露出です。
治療方法としては軽いものであれば、歯磨きの改善や薬での表面コーティング、えぐれている部分のコンポジットレジン充填などで痛みが治まります。 しかし痛みがひどくなると被せ物や神経治療をする必要が出てきます。
また、はぎしりやくいしばり防止のマウスピースなどもありますので、お気軽にご相談ください。
冷たいもので歯がしみたら
1度経験すると2度と経験したくない歯の痛み。三大激痛にも数えられ、あまりの痛さに仕事等が手に付かないという経験をされた方もいると思います。
虫歯や歯周病には自然治癒がありません。症状が落ち着いたとしても、治療しない限り、病気は確実に進行していき、より大きな痛みを引き起こすことにつながります。
また治療のタイミングが遅れると、削る量が増え、最終的には抜歯へとつながります。経験上「もう少し早くきてくれれば」ということも少なくありません。
我慢せずに歯科医院を受診してくださいね。